流派・師範は必要?空手の多様性と自分に合った学び方
空手の流派と師範について考える
先日、ある集まりで「空手の流派や師範の役割」について話題になりました。
空手の師範については、名称の捉え方に共通性がなく曖昧になりがちです。
- 伝統技術を守り伝える存在としての師範なのか
- 単なる指導者やコーチとしての師範なのか
この認識の違いによって、「師範は必要か」という意見も大きく変わってきます。
一方で、空手自体にはさまざまなスタイルや目的がありますが、流派と競技スタイルの違いを区別出来ていない事も多いようです。
競技空手もあれば、健康や文化・精神性を重んじる伝統空手もあり、どれも間違いではありません。
つまり、師範の必要性は、どの空手を学びたいかによって変わると言えるのです。
本土に伝わった空手と競技化の流れ
本土では約100年前、船越義珍が空手を伝えたとされています。
その後、摩文仁賢和(糸東流開祖)や宮城長順(剛柔流開祖)らも本土での指導を始め、戦後は大学を中心に急速に空手が広まりました。
やがて日本学生空手道連盟が結成され、1964年に全日本空手道連盟が誕生。
本土での競技空手が普及し2020東京オリンピックへと続いて行きます。
師範の役割は時代とともに変わる
空手が伝えられた当初(100年前)は、**「空手とは何か」**を学ぶために師範の存在は不可欠でした。
しかし空手が広く知られるようになると、本土では流派にとらわれず競技空手等の多様な空手が誕生したのかもしれません。
野球にたとえると見えてくること
少し極端な例ですが、野球を考えてみてください。
すでに共通ルールがあるため、野球を考案した人から教わる必要はありません。
競技化されると言う事は競技規定(ルール)が確定することであり、ルールに沿った・ルールの変更に対応した練習が等が必要となります。基準がルールになると言う事です。
競技空手を楽しむのであれば、もはや基準は野球同様にルールとなります。
流派にも多様性がある
空手には大きく分けて、沖縄で生まれた流派と、本土で体系化された流派があります。
間違い易いのは流派と競技スタイルを混同して今う事です。寸止め・フルコン・防具は競技ルールの違いであって決して流派の違いではありません。
沖縄の流派は伝統や身体操作、精神性を重視して存続してきたのかもしれません。
本土の流派は教育や大学、組織の中で広める過程で整理・体系化され、競技化との親和性が高いスタイルに進んで行ったのかもしれません。
どちらが優れているということはなく、それぞれの背景や目的に応じた価値があります。
沖縄流派と本土流派の違い
沖縄流派は「空手そのもの」を守り伝える流れです。
本土流派は、競技化や組織運営の中で広めるために体系化されました。
さらにさかのぼれば、中国から沖縄へ伝わった「手(唐手)」も、時代の変化に合わせて進化してきたのだと思います。
空手は常に変化し続けるものであり、どれも間違いではないという理解が大切です。
競技化以前の空手を求める人たち
競技化される以前の空手を学ぶ人も存在します。
特に海外の空手愛好家は、競技空手だけでなく、健康目的や伝統・文化としての空手も理解し、受け入れています。
毎年、多くの外国人が沖縄に空手を学びに来ますが、本土からの参加者はごく少数です。
このことからも、本土では「競技空手以外を空手と認識する人が少ない」現状がうかがえます。
流派があっても形骸化している現実
競技空手の中には、四大流派と呼ばれる流派名が存在し、流派に基づいた競技規定も、形式上は残されています。
しかし競技規定(ルール)では、その区別は曖昧で、混沌とし、形骸化しているようにも感じます。
規定上は「空手はスポーツではなく、精神性を重んじる武道・武術である」とうたいながら、
実態は競技化に大きく傾いている――
どこか矛盾を抱えた中途半端な立ち位置なのかもしれません。
もっとも、競技者自身は、もはやその矛盾に強いこだわりを持っていない、というのが現実なのではないでしょうか。
自分に合った空手を選ぶ
空手は、競技化されたものも伝統的なものも、長い歴史の中で変化してきました。
どれが正しい、間違いということはなく、自分が学びたい空手を選ぶことが出来る環境が大切なのではないでしょうか?
- 競技として楽しむなら、コーチの指導で十分です。
- 伝統や文化を学ぶなら、師範の存在が大きな意味を持ちます。
空手は人それぞれの選択で豊かになる
空手には競技(勝敗)だけでは測れない魅力があります。
流派やスタイル、競技か伝統かに関係なく、どの空手も尊重されるべきものです。
だからこそ、自分に合った空手を見つけ、無理なく長く続け楽しむことが大切だと思います。
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