努力を続ける古武道家へ

エークとの出会いと稽古に向き合う時間

先日、福岡から男性1名が本田道場の稽古に参加されました。今年、努力の甲斐あって琉球古武道「三段位」と「指導員資格」を取得されています。

もともと本田道場所属でしたが仕事の関係で、東京の大森支部で琉球古武道を稽古されていました。現在は転勤により福岡で一人稽古を続けておられます。継続が難しい環境の中でも鍛錬を続ける姿勢には、本当に頭が下がります。

仕事の都合をつけながら、東京支部と大阪支部へ足を運んで稽古に参加し、技術向上に努めています。次の目標である四段位審査までは数年の稽古期間が必要になるため、しばらくは審査に追われることなく、自分の技術にじっくり向き合えるのではないでしょうか。

稽古終了後、彼に「エーク」を一つお渡ししました。だいぶ先になりますが、五段位審査には「津堅砂かけのエーク」が課題となっています。エークとは“櫂(かい)”、いわゆるボートを漕ぐオールのことです。

鉄製武具であるサイも購入が難しいのですが、エークはさらに入手が困難です(需要がない?)。サイは品質にこだわらなければネットで入手できますが、エークはまず見つかりません。毎年5月開催される那覇ハリーまつりでもエークは自作しているようです。

私自身もエークの稽古を始めた当時、武具(エーク)はどこに売っているのか?自分で作るのか?分からず苦労しました。本部道場で館長のエークを採寸させていただいたり、糸満海人工房資料館や沖縄県立博物館に足を運び、実際に使われていたエークを見学したりもしました。それでも、自分の体に合う一本が分からず、既製品の購入を諦めて最後は自作(DIY)するしかありませんでした。

素材は何が適切なのか?武具としての強度と、本来の“船を漕ぐ道具”としての形。多くの条件を考え試行錯誤しながら何本も作りましたが、いまだに「これだ!」という黄金比はつかめずにいます。

今回、私が普段使っているエークのほか、新品未使用の自作エークを3本用意し、「どれでも好きなものを選んでください」とお渡ししました。未使用品は、これから自分の体に合うよう調整ができるように余裕をもって少し大きめに作ったあります。最終的に、彼は私が現在使っているエークを選んで持ち帰られました。

いつの日か赤嶺館長のようにエークを振る自分の姿を思い浮かべながら稽古に励んでもらえればと願っています。

そして、ふと気づけば——私の手元には未使用のエークが3本そのまま残っています。ということは、これから自分用に一本カスタマイズしなければなりません。

「ん~、また手間が増えたな」と思いながらも、実はちょっと嬉しい気持ちもあります。
年末年始の楽しみが、ひとつ増えました。ありがとうございます。


シニアが空手を始めるときに最も大切なのは、完璧な形ではなく、自分の体に合った無理のない動きです。本田道場(大阪・東淀川)では、「あなたの体に合わせる空手・古武道」を大切にしています。

大阪・東淀川の本田道場所属会員の平均年齢は60歳前後です。中高年から空手や琉球古武道を始められる方も多くいます。「もう遅いのでは?」と思われる方でも、体力や経験に応じて自分のペースで稽古ができます。


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