沖縄空手・琉球古武道(術) 今が一番!!
「知足」って大事ですねぇ~
先日、お参りに行った時のはなし。(お坊さんは毎日檀家さんのお宅にお参りします)
おばあさんが「※おっさん、私つくづく思うんです。年を重ねて足や腰が痛く体は不自由なんですけど、人生で今が一番幸せなんです。」とニコニコと笑顔で話し始めました。
※「おっさん」は和尚さんの省略系大阪弁です。アクセントは「お」にあります。オジサンの意味ではありません。でも、オジサンの和尚さんを呼ぶときは「おっさんのおっさん」となります。
唐突に話された「今が一番幸せです。」の言葉に「ハッ!」させられました。
「幸せ」を感じる基準は人それぞれなので、「幸せになる方法は○○だ!」と一つにすることはできません。でも、「幸せ」=「満たされている・満足している」と解釈すると分かりやすいかもしれません。
全てがパーフェクトに「満たされている人」なんていないんじゃないでしょうか?(誰もが死んでしまうから)でも部分的・一時的になら満たされている(幸せ)と感じる事が出来るかもしれません。刹那的ですが美味しい物を食べた時なんて「幸せ♡」と感じますよね。
「知足」と言う言葉があります。意味は「足るを知る(たるをしる)」となります。私に「今が一番幸せです」と言ったおばあさんは、老化による体の不自由はあるがこれは仕方のない事、しかし、雨をしのぐ家も寒さから身を護る衣服も飢えない程度の食べ物もある。そして何より「ばあちゃん、元気?」と気遣ってくれる家族がいる。不足なんてあるはずがない。ということに「やっと!気付くことができました。それが幸せなんですね。」と話をつづけました。
「知足」は誰でも感じる?
「知足(たるをしる)」は老化等どうしようもない事(無常)をありのままに受け入れ、満たされている事に気付くことなんでしょう。
目の前にある一個のまんじゅうを見て「一つしかない」と嘆くのか「まだ一つある」と喜ぶのか「知足」=「幸福」は物の見方・捉え方にあるのかもしれません。
還暦を迎え平均的な健康寿命まで残り10年余りしかないと嘆かず、10年以上もあるじゃないか、そして未来に続く人生で今が一番若いんだと思わせてくれた「有難い一言でした」
琉球空手・琉球古武道信武舘 本田道場
Ryukyu Karate Kobudo Honda Dojo