定年後の趣味──60代から始める大人のための空手とは?
見学者が抱いた「蹴り技が少ない」という意外な印象
先日、メールでお問い合わせいただいた方が、道場に見学にいらっしゃいました。
年齢は60代(アラカン)とのことで、定年退職後の新たな趣味として空手に興味を持たれたそうです。
その方は普段から自転車通勤をされていたということで、完全に運動から離れていたわけではないようです。
午後7時から8時30分まで、熱心に道場の稽古をご覧になった後、こうおっしゃっていました。
「もっと蹴り技の稽古があると思っていました」
空手といえば、どうしても「蹴り技」の印象が強いのかもしれません。
特に、上段回し蹴りや後ろ回し蹴りなどは、見た目にも派手で破壊力のある技として知られています。
実際、インターネット上でよく見かける空手の動画は、競技空手を中心にしたものが多く、それらでは蹴り技が頻繁に使われています。

競技空手特有
競技空手にはルールがあります。当たり前すぎてこの前提を意識していないのかもしれません。
目突き、噛みつき、金的攻撃など、重大なケガにつながる危険な技は禁じられ、安全な範囲で技を競い合います。
見学者の方がおっしゃていた上段への蹴り技は、そのルールの中で有効な技であり、且つ効果的(勝率が高い、ポイントが高い)な技とされているため、頻繁に使われています。
一方で、もし上段回し蹴りがルール上禁止にされたら、誰も使わなくなるでしょう。
反対に、金的への攻撃が認められていた場合、股を大きく開く回し蹴りは非常に無防備な技になってしまい、使われなくなっていたと思います。
護身術としての空手では、状況や体格に応じて、より実用的で安全な技(攻防一体)を重視します。
空手の「形」に蹴り技が少ない理由
空手の「形(型)」を改めて見てみると、蹴り技は意外と少ないことに気づきます。
中には蹴りがまったく含まれていない形もありますし、あっても数回程度です。
また、回し蹴りは基本的に登場せず、腰より高く蹴ることも少ないのが特徴です。攻撃目標は膝、金的、下腹部など。バランスを崩しにくく、実戦的(攻撃中に無防備にならない)で効果的な部位を狙います。
上段への蹴り技は見た目の派手さに反して、非常にリスクも大きく、高く足を上げるとバランスを崩しやすくなり、金的も無防備になります。また、足を掴まれる可能性もあります。そのため、空手の形は手技を中心とした構成が主流となっているようです。

60代の体に合った稽古スタイルとは?
当道場では、平均年齢が60歳前後と高めです。そのため、特に安全面には細心の注意を払って稽古を行っています。蹴り技は、片足で立って足を振り上げるという、非常にバランスの難しい動作です。
「片足立ち」でネット検索すると、60代の平均的な「片足立ち時間」は約20秒と言われています。
これは、ただ片足を静止して挙げているだけの状態です。
実際の蹴り動作では、さらに重心移動や筋力、柔軟性が必要になるため、難易度は大きく上がります。
そのため、当道場では壁に手をついてバランスを取りながら蹴りを練習するなど、無理なく安全に学べる工夫を取り入れています。
大人だからこそ続けられる空手を
空手は、体力に自信がない方や運動経験が少ない方でも、年齢に応じた方法で始めることができます。
派手な技を追い求めるのではなく、自分の体に合った技を、無理なく丁寧に積み重ねていくこと。それが、長く続けられる空手の魅力だと感じています。
「今からでもできるかな?」と不安に思われる方こそ、ぜひ一度、見学や体験にいらしてください。空手の楽しさと奥深さを、きっと実感していただけると思います。
ご相談・見学申込はこちらから
✅ 無料見学・体験のご案内
✅ 入会のご案内
✅メールで問い合わせ
✅LINEで問い合わせ
✅電話:09021188637
沖縄小林流空手・琉球古武道信武舘 本田道場
Okinawa Karate Ryukyu Kobudo Honda Dojo