沖縄小林流空手・琉球古武道(術) 形(カタ)を形(カタ)として動く

基本動作と形(カタ)が乖離?

空手・古武道には多くの形(カタ)が伝承されています。流派によっては40数種の形が伝承されているようです。実際、全て覚えるのは骨の折れる作業(?)でしょう。

稽古の目的は多種多様であり「覚える(記録・保存)」に満足感を求めても全く問題はありません。実際、そうしないと「形」の多くは欠伝してしまったかもしれません。

「形を形として動く」って当たり前のことのように思えます。逆に「形を形として動かない」はどうでしょうか?

なんかよく分からない事を言っていますが、例えば10動作の「形」があるとします。

①1~10までをトータルとして考える。(順番を間違いなく)

②1.2.3~10と単に基本動作が連続していると考える。(順番より個別の動作を完成させる)

何故か同じ形でも仕上がりが異なるように感じます。

抜け出せない呪い?

2023.12.17開催された沖縄空手セミナーin関西での一コマ

受講者(本土空手家)が講師(沖縄の空手家)にこんな質問をしました。「形名○○の○○動作は本来何回が正解ですか?3回or5回?」

講師の回答は「やりたいだけやればイイさぁ~」でした。

質問者は「???????」だったでしょう。

質問者は形の順番を質問していたんですね。講師は形を基本動作の連続として回答したんだと思います。

「回数なんか決めずに満足いくまで(出来るようになるまで)同じ動作を稽古したらいいじゃないですか。」ということですね。

長年「形を形として」稽古していると基本動作との間に乖離が生まれるようです。

「突き」を例にとると、基本動作としての「突き」と形の中での「突き」が同じじゃない。そのほかの動作はも同様です。

①1~10までをトータルとして考える。(順番を間違いなく)

残念なのは、いくら意識しても形の中の「突き」を基本動作の「突き」に置き換えることが難しいと言う事です。

基本動作として出来るのに同じ事が形の中では出来ない?

長年、トータルとして「形(カタ)」を何万(十万)回と反復して体が自然に動いてしまのでしょう。脳に回路が出来てしまっているような感じです。しかも、それは強固な回路です。一生懸命稽古している人程、途中で別回路につなげる事が難しい。

理屈では分かっていても体が思うように動かない。呪いから抜け出せない!金縛り状態なんだと思います。

「形」に対するイメージ?

「〇〇形の流れはこうあるべき」この部分はゆっくり」「この部分は早く」・・・etc.トータルして流れやスピードの強弱」に縛られてしまいイメージとしての動きが優先されてしまった結果かもしれません。

リラックスしましょう。

「上手くしよう」「間違わないようにしよう」なんて意識せずに、一旦、「形(カタ)」に対する考え方をリセットしてみてはどうでしょうか?

「形(カタ)を形(カタ)として動くもよし」「基本動作の連続として動くもよし」「単なる体操として動くもよし」…….次へのステップアップにつながるんじゃないでしょうか?

琉球空手・琉球古武道信武舘 本田道場
Ryukyu Karate Kobudo Honda Dojo